前述のように私は以前、心の病を患ったことがありました。診断されたのは息子がもうすぐ2歳になろうとしていた頃のこと。理想とはほど遠い自らの「母親として」の在り方や、当時のパートナーとの関係……思うように出来なくて、そんな自分が情けなくて悔しくて———そんな当時の私の元にやってきたのが適応障害だったのです。適応障害は、それまで溜めに溜め込んだ本音を吐き出すいいきっかけとなってくれました。それでも、夜は眠れず朝は起きられず、仕事も家事もろくに出来ない自分に対する嫌気は募るばかりで、こんな私に育てられる息子は可哀相なのではないかと申し訳なくて仕方ありませんでした。
そんな時に藁にもすがる思いで頼ったのが市の無料電話相談だったのです。匿名で顔も見られない安心感から、まるで懺悔をするように本音を吐き出したのを覚えています。電話口の相談員さんは、そんな私を責めることなく「お子様を大切に思われているのが伝わってきます」と包み込んでくれました。どんなにありがたかったかわかりません。大袈裟ではなく、その一言に私は本当に救われたのです。